AKG について

TOP  AKG  K812レビュー - 麻倉怜士氏

K812レビュー - 麻倉怜士氏

2014年5月26日

デジタルメディア評論家「麻倉怜士」が語るK812の魅力

オーディオ・ビジュアルの世界で、独自の批評と鋭い提言で高い支持を得ているデジタルメディア評論家の麻倉怜士(あさくられいじ)氏。評論活動に加え、日本画質学会の副会長、さらには津田塾大学の講師など、多方面で活躍されています。

その麻倉氏に、AKGが満を持して送り出したモニタリング用ヘッドホンのフラッグシップ・モデル「K812」を試していただき、その感想をお伺いしました。

麻倉怜士氏
麻倉怜士氏

Twitter: https://twitter.com/ReijiAsakura
※別サイトに移動します。

 


このヘッドホンは音楽が聴ける。音楽の美味しい部分を旨く再現してくれる。もちろん、モニター用として開発されたヘッドホンだから周波数帯域や立ち上がり、Dレンジ感……などハードの音的な特性は、監視できるに足るクオリティを十分持っているが、さらに、実に豊かな音楽性が聴けた。

イーグルスのテキーラ・サンライズ(96kHz/24bit)。AKGの既存モデルK712 PROと比較すると、楽器の鳴り方が圧倒的に豊潤になり、倍音方向の音情報が格段に増えている。明瞭度も向上。全体の抜けもすっきりと。輪郭感がきちんと整い、レンジも広い。ベースの動きから、倍音の様子まで、幅広い帯域で解像感がひじょうに高い。といっても情報量的な凄みではなく、情緒性もたっぷりと感じることができる。

チャイコスフキーの交響曲第6番ロ短調「悲愴」第2楽章(ワレリー・ゲルギエフ指揮ウィーンフィル、192kHz/24bit)。K712 PROとはまるで違う。K812の音場の広さ、深さは格別だ。ムジークフェライン・ザールの空気感が実に濃密。演奏家が演奏を始める時の気迫や演奏中の息遣い、会場の雰囲気に至るまで、音楽にまつわるおいしい情報が丁寧に再現されている。一つのフレーズ中の、細かな音の強弱の表現が実にダイナミック。

K812はモニター用ヘッドホンだが、私は音楽鑑賞用に使いたい。


■K812商品情報>>

■ヘッドホンレビュー一覧に戻る>>


このサイトには、税込価格(税率10%)と税抜本体価格を併記しています。