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DiGiRECO EON208P商品レビュー

 


片手で運べるPAシステム 
■価格:オープン(実勢価格:6万9,800円/税抜)

 
 音楽をやっていると、何かと必要になるPAシステム。ライブハウスやある程度大きな会場であれば、PAシステムが常設されていると思いますが、カフェやイベント・スペースなどのちょっとした場所で演奏する場合は、PAも自前で用意しなくてはいけません。PAの専門的な知識やそこまで大がかりなシステムも不要。そんなシーンで重宝されているのがJBL PROFESSIONALのポータブルPAシステム。「EON208P」は可搬性と機能性、音質を両立させたシリーズ最新モデルです。
 まず最大の特徴であるポータブル性から見ていきましょう。EON208Pは2本のスピーカーとパワード・ミキサー、さらにはAKGのダイナミック・マイクも付属するオールインワンのPAシステムです。そして、EON208Pの大きな特徴が移動時にスピーカーをミキサーの左右に連結して一体化できる点です。ミキサー部にはハンドルが付いているので、スピーカーを連結させると、ちょうどスーツケースのような風貌になります。ミキサーの背面部には大型の収納スペースが用意されているので、ケーブルやマイクなどのアクセサリーをまとめて管理、運搬することができます。
 重量は16kg(本体のみ)とPAシステムとしては非常に軽量。数字だけ見ると重い印象を持ってしまうと思いますが、実際に持ってみると数字よりも軽く感じます。現場に着いたらスピーカーを分離させて、ミキサーとケーブルを接続するだけでセットアップが完了。機材に詳しくないミュージシャンでも、自分たちだけでセッティングが行えるというのは大きなポイントです。



柔軟な拡張性

 ポータブルPAシステムで一番重視されるのは「気軽に使える」こと。これはもちろん大切なことですが、気軽さを追求するあまり、機能的な制限を受けることが多いのも事実です。中でもミキサー部は入力チャンネルや機能、拡張性が犠牲になることが多く、「今回のライブはちょっと楽器を増やしたい」といった時に対応できないケースもあります。
 EON208Pのパワード・ミキサーはポータブルPAシステムとしては、かなりの充実ぶり。入力は8系統用意されており、ch1-4はXLR/標準フォーン、ch5-6は標準フォーンとRCA、ch7-8は標準フォーンとステレオ・ミニと、主要な端子を一通り用意。どんな機器をつなぐ場合でも、変換コネクターは不要の親切設計です。ch1-2はファンタム電源、ch3はHi-Zに対応しているので、コンデンサー・マイクからエレアコまで、接続する楽器も問いません。加えて、Bluetoothレシーバーも内蔵。スマートフォンからワイヤレス再生もできるので、ちょっとしたBGMを流したりと便利に使うことができます。
 出力端子はスピーカー接続用に加えて、モニター出力やヘッドフォン出力、サブウーファー出力を備えており、目的に合わせてシステムを拡張することもできます。


しっかりと使える本格サウンド
 
 ここまではポータブルPAシステムとしての特徴を見てきましたが、気になるのはサウンド部分です。ポータブルとは言えど、サウンドを犠牲にしてしまっては元も子もありません。
ミキサーのパワーアンプ部は300W(150W x 2)と小中規模の会場であれば、十分な出力と言えます。サウンドを決定づけるスピーカーはプロフェッショナル用スピーカーを数多く手がけ、その音質に定評のあるJBL PROFESSIONAL製の8インチ・ウーファーと1インチ・ドームツイーターを搭載。サイズからは想像できないような低域をしっかりと再生。同時に中高域のクリアさも兼ね備えているので、アコースティック編成からエレクトリックまで、どんなジャンルもカバーします。
 また、このスピーカーはスピーカー・スタンドにマウントするのはもちろん、指向角度が水平方向100°、垂直方向60°と広めに取られているので、横置きに設置してステージ・モニターとして使うこともできます。会場や楽器編成によっては1本を客席用に、もう1本を演奏モニターとしてアーティスト側に向けてセッティングする…という使い方もオススメです。

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 ポータブルPAシステムならではの可搬性や気軽さに、通常では犠牲にされがちな拡張性や音質を両立させたEON208P。PAを持ち込むことが多いミュージシャンはもちろん、カフェやレストランの常設機材としても魅力的な製品です。



 ・ EON208Pの詳しい情報はコチラ

「DiGiRECO VOL.191号で掲載」

このサイトには、税込価格(税率10%)と税抜本体価格を併記しています。